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歯科コラム

古くからの言い伝え!「乳歯」が抜けたら屋根に投げる意図ってなに?
各地域によって言い伝えや伝統と呼ばれるようなことは多く、今も語り継がれています。歯に関するものだと、子供の歯(乳歯)が抜けたら丈夫な大人の歯(永久歯)が生えてくるようにという願いを込めて、屋根や縁の下へ投げるということが有名です。実際に自分の歯もそうしたという方もいるかもしれませんね。

◆なぜ下の歯は屋根に下の歯は縁の下へ?

歯が立派で特徴的な動物というとなんだと思いますか?ネズミのイラストで、よく前歯が2本でているような書き方を見たことはないでしょうか。 ネズミの歯は独特ですが、げっ歯類と呼ばれるだけあり歯の神様として昔から崇められていたようです。確かに日本昔話を読んでみても、昔話しを紹介するアニメをみていてもネズミに食事を食べられてしまうシーンや、ネズミが家を食べているシーンがあります。それくらいネズミの歯は強いというイメージを昔の人は持っていたのです。 屋根に投げることや縁の下に投げる時に掛け声があります。「ネズミの歯のような歯が生えてきますように」と言いながら投げます。屋根や縁の下にはネズミがいるとされていることから、乳歯をネズミにあげることで丈夫な歯が生えてきてほしい!という願いを込めていたのでしょう。

◆アジア圏内でも同じようなことをする

アジア圏内でも同じようなことをする
このような言い伝えは日本だけの文化かと思っていましたが、なんとアジア各国でも似たような文化があるようです。日本からアジア各国へ伝道されたのかアジアから文化が入ってきたのかは定かではないですが、中国・カンボジア・シンガポール・タイ・ベトナムでも同じような文化がありました。子供の歯が丈夫で健康に育つように願う親の気持ちは世界共通ですね。韓国と台湾は?というと、台湾では上下関係なく屋根に投げるようです。韓国でも上下関係なく屋根に投げますが、ネズミに祈るのではなくカラスに持ってきてもらうという風に伝えられています。 また、同じアジア圏でもマレーシアやフィリピンでは歯を土に埋めるというのが主流のようです。

◆最近はどうしてる?

最近では、乳歯が抜けるのを待つ人よりも乳歯を抜いてしまった方が円滑に永久歯と生え変わりができると考える歯医者さんも多くなり歯科医院で抜いて、そのまま処分してもらう人も多くなりました。 また、マンションやアパート住まいの人も多くなっているので屋根に投げると言っても物理的に難しいこともあります。 言い伝えはその生まれた背景なども考えると非常に面白いですね。
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